【漫画39】悲劇の始まり~国譲り第10章
長男の事代主はあっさり承諾、しかしもう一人の息子の建御名方神は建御雷神に自分と力比べをしろと言います。
建御名方が建御雷の腕を掴むと、建御雷の腕はつららや剣に変化し、今度は建御雷が建御名方の腕を掴むと、放り投げてしまいます。
これに恐れを抱いた建御名方は一目散に逃げますが、建御雷は科野国の州羽の海まで追い詰めて殺そうとします。
すると建御名方は「どうか殺さないでください。私はこの土地から一歩も出ません。大国主と事代主の言うことも聞きます。葦原中国を天津神に譲ります」と言って降参しました。
3番目の神様までは話し合い重視で穏便だったのに、4番目の建御雷になって武力行使がすごいですね。
建御雷はとても強い武神なので、それだけ天上も痺れを切らしていたのでしょうか…
【漫画38】悲劇の始まり~国譲り第9章
地上を地の神から天の神に譲り渡す国譲り交渉の際、建御雷神は大国主大神から『自分より先に息子たちに聞いてほしい』と言われます。
そこで、建御雷神は出雲国の三穂之碕(みほのさき)で魚釣りをしていた事代主神(コトシロヌシノカミ)の元へ訪ねます。
(事代主は大国主の長男にあたる神様です。)
事代主は「この国を譲りましょう」とあっさり快諾。
そして、船をひっくり返してその上に青柴垣(あおふしがき)を作り、その中に隠れてしまいます。
国譲り神話も記紀やその他の書物によって記述が違います。
古事記では魚や鳥の狩りをしていた事代主を別の使者が連れて帰って訊ねたり、日本書紀では「父は去るべきだ」とまで言って、最後は海の中にどぼんと隠れたり。
どちらにしても、事代主という神様は天津神に対してかなりビビっていたようですね…。
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【漫画36】悲劇の始まり~国譲り第7章
国譲りの交渉の際、高天原から4番目に地上へ派遣された神が建御雷神(タケミカヅチノカミ)。
出雲国の伊那佐之小浜(いなさのおはま・現 出雲市稲佐の浜)に降り立つと、(※)十掬の剣(とつかのつるぎ)を抜き、波の上に剣を逆さまに立てて、その切先にあぐらをかいて座り、大国主大神に国譲りの直談判をします。
「この国は我が御子が治めるべきであると天照大御神は仰せだが、どう思うか」と。
ちなみに建御雷は鹿島神宮の主神として祀られており、鹿島神(かしまのかみ)とも呼ばれ雷神、剣の神とされています。
またこの後、大国主大神の息子 建御名方神(タケミナカタノカミ)と対戦した際、タケミナカタの手を掴み放り投げたことから、相撲の祖神ともされています。
それにしても、当時地上には荒ぶる神々が跋扈していると云われていましたが、大国主が苦労して作り上げた国をいきなり譲れって言ったり(しかも10年以上しつこく交渉)、剣の先に座ってみたり、天津神の方がかなり荒ぶってる気がします;
(※)十掬の剣…拳10個分の長さの剣のこと。「十掬の剣」という名称の剣があるわけではなく、日本神話でよく登場する剣の総称。「十束剣」、「十握剣」など様々表記される。